2008-09-21 ■ 「ねぇ」 「何?」 「相沢君は、…」 「何?」 「…。今日、楽しかったね」 「うん」 「また、行こうね」 「うん」かつて多くの商人を輩出した、その町を歩いたことがある。彼女は、古い洋館が好きだった。町には、そういった洋館があちこちにあった。彼女は、日傘を差さない人で、その肌は小麦色に焼けていた。その事は相沢に、健康的な印象を与えた。「今日は、ありがとう」 「いや、こちらこそありがとう。誘ってくれて」 「ううん、またね」 「また」