洗い物が済むと、寝室へ行き、服を着替える。長袖のポロを着る。スカートをやめてコットンパンツに履き替える。歩くのが好きな夫の事、きっと長い距離を言うのだろう。
鏡台のいすに腰かける。髪に、ブラシを当てる。結婚して、しばらく経ってから短くした。この方が楽だし、夫も、似合うと言ってくれた。しかし今さら、切らなければよかったのかとも思った。
鏡の無い時、私はどんな顔しているのだろうか。昨夜、夫は帰ってきて私の顔を見るなり喋り出した。夫があんなに喋ったのは、きっと、この顔があったからだ。としたら、私の顔を見ることは苦しいのだろう。