いや、当時も、思い悩みはずっと、癒えることなんか無かったのかもしれない。でも、それを越えることのできる、若さがあった。若い私は、記憶の中で、いつも笑っている。当時の悩み、きっと、深刻な悩みを抱えていたのだろうけど、そこにあったはずの醜さが、今思い出せない。
今、私の中には、苦しみが沈積を止めない。濁った水。灰色の空。なぜ、こんなに重たいのだろう。