電車で通っていた。電車に乗るおよそ一時間の、最後の十分間に、短いトンネルを二つ抜けた。それまで、山に囲まれた田んぼの中を、すいすい走っていたのが、ひとつ目のトンネルを越えたところで、いきなり、クシャクシャした住宅ばかりの街並みに変わったのを思い出す。
二つ目のトンネルを抜けると、もうそこは、大学のある街だった。