仕事で研修を受けに、今日は、家から自動車で出かけた。研修会場まで1時間と少しかかった。いつもならあっという間の道も、通勤時間と重なったことで、途中、渋滞している箇所があった。

研修は、実際にペンを動かすものだった。

帰り道に、3月まで通っていた大学の近くを通った。30代半ばから、働きながらの大学院生活だったが、どうやらしっかり「青春」していたらしく、意外なことに、少し感傷的な気分になった。

当時、「あの人」と、よく待合わせに使っていた店の前も、久しぶりに通った。

ほんとうに久しぶりに、「あの人」の面影と声に、思い出のなかで触れられた。

まるで湖底の深い場所で静かに揺れるように、私の胸のうちが揺れた。それは、かけがえのない動揺であった。私にまだこのような感情があったんだ。

この感情を与えてくれた「あの人」の幸せを祈った。