コーヒーから立ち上る湯気が、いつの間にか消えて、そろそろ彼女が着く頃になっていた。携帯電話に、メールが入っていた。気付かなかった。「予定より早く着きました。場所が分からないから、来てくれない?お茶の、大きな看板の下にいます。」
会計を済ませて外に出た。気がはやる。久しぶりに話が出来るのだ。急ぐ。自然と早歩きになる。人ごみの中を縫うように、看板の下へ。彼女は、交差点のわかりやすい場所に立っていた。