新聞に目を通すと、悲惨なニュースばかりだった。
中東の小さな町で、たくさんの人が死んだ。相沢も名前を知っている大きな会社が倒産した。政治家が自殺した。
もう沢山だった。自分には関係ないこととは思えなかった。一刻も早く、やめてほしいと思った。こんな状況を、誰も望んでないのに、どうしてそうなったのだろうと思った。
窓から見る空は、晴れている。モーニングセットが運ばれて来たので、新聞を畳んで、自分の隣の椅子の上に置いた。この世界では、誰もが、幸せになれるわけではない、食事に向ったとき、そう思わずにはいられなかった。自分はこうしておいしい朝食にありつけるのが、申し訳ないと思った。世界には、たった一つのゆで卵さえ食べられない子供がいる。