そういえば、この街の大通りを北の端から眺めた時、ビルの高さがそろっているのも、そっくりだった。四条通を、八坂神社の門の下から眺めた時夕焼けがきれいだった、ぼんやりとした光の底に、街全体が静かに沈んでいるような感じ、眠っているような感じで、そんな光景に、ここの夕焼けは似ている気がした。その事に気づけたのは嬉しかった。
京都では、楽しい事ばかりがあった。いつも友人たちとばかしていた。何をしても、おおらかに包み込まれていた気がした。私はあの街が大好きで、それなのに、もう何年も行ってない。当時の友人たちとの連絡もほとんど絶えた。今と違う名字で呼ばれていたあの街での私は、あまりにも遠い過去の記憶に属する存在のように思えた。あの時からまだそんなには経っていないというのに。
唐突に思い出すと、いろいろな感情が押し寄せて来る。みんな元気だろうか?卒業式の日の美しい振袖姿が記憶をよぎる。みんな、幸せでいるのだろうか。