再開

夏が終わり、秋になった。虫の死体が、地面に増えた。エアコンの効いた室温で、体調が崩れそうな気持ちになる。13人の元死刑囚達を思う。彼らについての文章を集中的に読む。彼らも私と同じ人間だ。

 

一冊読み終えて、重たい気持ちで、建物をでる。自動扉が開くと、風が強い。まだ夏の残り香が漂っている。死刑囚だった彼らは、この空気をおそらく、感じることはなかっただろう。そのことで、思わず立ち止まる。

 

しかし私はこうして生きている。