朝、母から言われ、車で20分の隣市に住む祖父母を病院に送った。 二人の診察が終わるまでの間、待合室で本を読んでいた。 偶然、職場の上司と会った。その人は、高齢の父親に付き添ってきていて、ちょうど診察室から出てきたところだった。 私達は軽く会釈し…

能を観なくなって三年ほど経つ。 この間、多くの訃報に接した。その度に、あの人の舞台を観ておきたかった、だとか、あの人の舞台をもう一度観たかった、だとか、あの舞台を観ておくべきだった、といった思いが胸を過ぎていった、それでも、その瞬間の次から…

仕事から帰ってきて、祖母と母と夕食をとる。 ここに何の不足があるというのだろう。 しかし拭い去れない焦燥感。 間もなく31歳になろうとしている私は、今何ができているのだろう。

兄に子が生まれた。 二人目の子は女の子だった。

私は昨年30歳になった。 30歳になる随分前から、30歳になれば何かできているのだろうなと、将来の自分を思い描いて生きていた。しかし、さあなってみると、何もできていない自分がいた。 そして今、30歳になった誕生日から、もうすぐ1年が経とうとしている。…

仕事のある日の朝だと、起きた時から吐き気がする。朝ごはんを食べて、歯磨きをしても、吐き気がする。自動車で職場につくまでの間に、いつの間にか、吐き気は収まっている。いつものことだ。

朝、目を覚ましても、目をあけるまでに時間がかかる。しかも、起き上がるまでにも時間が必要だ。冬の朝のはじまりは、たっぷりと三段階が必要だ。

何があったか。 どんなことを考えたか。・・・ ではなく、私は物語を語ることができるのか。 語っていきたいと思う。 これから、語っていこうと思う。

注文していた、阿閉良造さんの「ふる里長浜いろいろ」が届いた。 また一冊、宝物の本ができた。 これからの人生で、折にふれ、大切に本を開いていきたいと思う。

仕事のことは、仕事の時に考える。 プライベートと仕事を分ける「努力」をしている。 3日の部活の同窓会で、先輩が言っていた。

二十代後半、頑張ることができなかった。 自分に甘かった。 今年、三十一才になる。 もう、言い逃れできない。 人と違ったことしようと思ったら、人が頑張れないときに、頑張らないといけない。

私のいけない点。 安易に、長い目で物事を考えてしまい、(長い目でみることに逃れてしまい)、結局、日々の変化や、達成がないこと。 短期的なのと長期的なのとの、バランスが大事ということを思った。

雪がつもった。 朝早くから、通りから、雪かきする音が聞こえる。みんな、競争みたいにする。 こういう町に住んでいて、良かった。 私も、スコップ持って、雪かきに参加した。朝ごはんまでの間に。

今、読むべき本は、過去の自分が知っていた。

何から書こう。 私は今、書くべき何をも持っていない。 しかし、過去の記憶にすがるのではなく、今を。 これから、少しずつ、書き綴っていければ、良いのではないか。 今日からが、新しい一歩。

書くこと

ずっと書くことから遠ざかっていた私。 私は、書き続けることができるのか。 わからないけど、書こうと思う。書きたいと思う。 だから、書いていこうと思う。

目を閉じても、世界は存在し続けているのだろうか。テレビの奥は、ここと、地続きなんだろうか?

まじめに生きようと思った。

今日から、また、更新を再開しようかな。なんとなく、そんな気分だ。誰か、読んでくれるのか分からないけれども。

入学した当初、すぐに友人はできなかった。長い間一人もいなかった。 当時、昼食を一緒に食べる人がいなかったので、私は、大学の外で、よく食事をとった。構内の食堂は居心地が悪かった。時々、天気の良い日は、パン屋で総菜パンを二個位買って、大学のそば…

下宿したいと思っていたが、自宅から一時間と少しで通う事が出来たので、大学へは、四年間通い通した。そのことを、いまは少し残念に思っている。下宿していたら、きっと、また違う学生生活を送ることが出来ただろうと思う。

電車で通っていた。電車に乗るおよそ一時間の、最後の十分間に、短いトンネルを二つ抜けた。それまで、山に囲まれた田んぼの中を、すいすい走っていたのが、ひとつ目のトンネルを越えたところで、いきなり、クシャクシャした住宅ばかりの街並みに変わったの…

離れないとその良さがわからないことは多い。 私は、就職して故郷を離れた。離れてみて、はじめてその良さがわかった。友達、兄弟、父、母。自分の部屋。どれも、懐かしくてたまらない。 そして、学生だった頃の思い出。あれほど嫌だった、早く終えたかった…

年が明けてから、3ヶ月間ずっと、小説は1文字も読まなかった。たまたま、以前注文していた小説が届いた。それは1・2巻と出た続編だった。去年の6月に2巻を読み終えた後、続編が出ると分かった時点で注文したものだった。それが届いたのだ。ほんとうに久しぶ…

決意

やる、と決めたからには、やる。必ず。この、中途半端な人生を、やり直すために。悶々と、思い悩んで、なにかをしているふりをして、結局、何もやらないのは、もう、やめよう。3段しか飛べない人間が、100段跳べないからって、100段の前でじっとしてても、永…

映画は面白かった。 映画館を出て、携帯の電源を入れると、留守電が入っていた。父の携帯からだった。

店を出ると、すっかり雨はあがっていた。 今日はなんだか楽しかった。色んな事があった。早く家に帰ろう、そして、夫に会って、画廊の事、バーの事、そこで出会った変な人達の事を、久しぶりにいっぱい喋りたいと思った。夜風の冷たさが、興奮に火照った体に…

「いや、小説じゃないんです。村上春樹が、地下鉄サリン事件の被害者に対して行ったインタビュー集です」 「でも私は、これを読んで、事件についてとは別の部分でものすごく痛感して発見したことがあるんです。自分では大発見だと思ってます」 「何をですか…

「今日はじめて会ったあなたに、こんな話するのもどうかという気もするんですけど」オールドイングランドを一口飲んでから、相沢はゆっくりと話し始めた「私、ちっさい頃からずっと、自分が目を閉じるのと同時に周りの世界が無くなるもんだと思っていたんで…

「それを、ベンチに座ってボーっと見てたんです。で、そのとき何となく、あぁやってるなぁと思ったんです。曇ってはいたけど、まだ雨は降ってなかった。だから、いつまでも座れてた。辺りを見渡せば、そういう風にしてベンチで休んでる人は、意外といなくて…