二つの世界

現実には、37歳で、日々仕事をし、生活を送っている。今日は休日で、午前中は喫茶店で人と会い、そのあと髪を切りにいき、昼食にモスバーガーを両親の分も買って帰り、家で食べた。午後には、自動車の修理にいった。明日はまた仕事だ。土曜日も午後に少しだけ仕事にいく。このように何の変哲も無い日常が、元気でいるかぎりはこれからも続くのだろう。

でもそうであったとしても、もし私がこれからも生きていくのならば、そこにはもう一つの世界があってほしい。このことは何も非現実的なことではなくて、現実的な生活の中で時おり顔をのぞかせる、内心という扉の向こう側にある世界のことを言っている。

きっと誰しもがそのような世界を持っているし、必要とすらしている。意識をするしないにせよ。例えば「信仰」など。「思い出」もそうかもしれない。

でも私にとっては、そのような世界を「物語」としたい。「物語」は、なにも読む本の中にだけあるのではない。私はそれを紡いでみたいし、紡げるのではないかと思う。扉の向こう側とこちら側とを、一日の少しの時間だけ、行き来したい。

私はこれからも生きていくためにはそうすることを必要としている。そうして向こう側の世界を、これから少しづつでも、よりくっきりしたものにしていきたい。きっとその先に見える風景があると思えるから。

今日、自動車屋で修理を待っている間に、なんでだか、痛切にそのことを思った。

 

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かつて書いた物語の続きか、もしくは新しい物語か。このブログでは、扉のこちら側の世界を書くけれど、別のブログでは、向こう側の世界の物語を書いてみたい。どこまでいけるのかわからないけれど。自分の歩調と、歩幅で。 

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